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ポスター発表 ( 2017-06-19・ 1306KB ) |
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発表ポスター ( 2017-06-13・ 977KB ) |
重症パーキンソン病患者 8例に対する 起立-着席運動
~廃用による機能障害に対するアプローチ~
<結果>
<まとめ>
今回の検討では、重症のパーキンソン病患者に対する運動療法として
起立-着席運動は実施しやすく、かつ効果が大きいと考えられます。
(九州理学療法士・作業療法士合同学会2016で発表)
左前頭葉梗塞による右上肢の強制把握を認めた症例を経験した。これまで、強制把握が ADL に及ぼす影響や改善 への試みに関する報告は少ない。今回、ADL 場面で更衣、歩行(伝い歩き)、トイレ動作の両手を使用する動作に おいて、強制把握が障害となった為、それに対する工夫点や改善効果について報告する。
【症例】
80 歳代、女性。右利き。独歩で ADL も自立しており、物忘れなどもなかった。X 年左前頭葉に脳梗塞発症。26 病日目に当院転院。右片麻痺を認め、Br.Stage(上肢-手指-下肢)II-III-IIであった。麻痺の改善に伴い、37 病日目頃より右手に強制把握が出現。手を開放するように命じても開放することができないほど、把握反射の程 度は強度であった。なお、本報告を行うにあたり、本人に口頭および書面にて同意を得ている。
【強制把握と ADL の関係】
山鳥はベッド柵や布団の端などをいつもつかんでいる、一旦つかんだものは自分で はずすことが出来ず、反対の手を使って指を一本一本引きはがすことがあると述べ ている。症例も強制把握の出現により、握ってしまった右手を左手で引きはがす動 作が認められ、本人からは「また握ってしまった」「離せない」等の発言があった。 更衣動作では、右上肢の袖を通す途中で強制的に衣服を把握してしまい、通すこと ができず、時間や介助を要す状態であった。歩行(伝い歩き)では、左手のみで手す りを使用して開始するも、右手が目の前の手すりを強制的に把握してしまい、持ち替 えることが困難となり進むことができなかった。トイレ動作では、両手で下衣操作を 行おうとし、右手が下衣をつかんでしまい、下衣操作が困難であった。また、歩行、 トイレ動作時に次の動作に進むため、左手右手を一本一本引きはがそうとし、立位バ ランスが不安定となり、転倒の危険性があった。
【強制把握に対しての工夫】
更衣・歩行(伝い歩き)では、強制把握が出現する右手にタオルを把握させて実施した。更衣ではタオル把握さ せていることにより、途中で衣服を把握することなく実施でき、着衣時間が短縮した(3 分 10 秒から 1 分 15 秒 に改善)。歩行(伝い歩き)では左手で手すりを把持し、止まることなく監視で可能となった。トイレ動作は強 制把握を利用し、右手で手すりを把持することにより、立位バランスが安定し、左手での下衣操作が監視で可能 となった。更衣・歩行(伝い歩き)・トイレ動作において介助量の軽減を図ることができた。
【考察】 強制把握は両手を使用する動作において障害となった。更衣・歩行(伝い歩き)では、右手にタオルを持たせ、 強制把握を制限することで、動作をスムーズにすることができた。トイレ動作では、右手で手すりを握らせ、強 制把握を利用することで、介助量の軽減につながった。ADL 場面に応じて、強制把握の制限と利用を検討する必 要があると考える。
(第50回 日本作業療法学会2016 口述発表)
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20161130 ( 2016-11-30・ 82KB ) |
<対象>
前屈姿勢(首下がり3例、腰曲がり1例)を示す
パーキンソン病患者4症例
平均年齢: 73 歳
<方法>
肋木を使用し首と背筋を伸ばしながら立ち上がる
運動を平均145回/日行いました。
<結果>
筋電図測定により首、背筋を伸ばす筋肉が
多く働いていることがわかりました。
運動により
3例の自分で首を上げる角度 平均 38度
1例の自分で背筋を伸ばす角度 25度
改善が見られ、姿勢が良くなりました。
姿勢が改善し、歩行、飲水がしやすくなりました。
肋木起立運動は首、背中をおこす筋肉が働く運動
で姿勢改善が期待できます。
(九州理学療法士・作業療法士合同学会2015 ポスター発表)
座位保持不能から1ヵ月で歩行自立
<対象>
初発脳卒中片麻痺患者6症例
平均年齢:66歳
<リハビリ内容>
入院時より可能な限り自主・自己での
起立‐着席訓練を1日350~600回行いました。
<治療結果>
(入院時) (退院時)
・筋力は、健側の膝を伸ばす力 :平均47%→83%
麻痺側の膝を伸ばす力:平均10%→58%
*健常者の筋力を100%とした割合(%)
・日常生活動作を評価するBarthel Index(100点満点)
で平均26点(入院時)→94点(退院時)に改善しました。
☆ 歩行は6症例とも自立し、全例で自宅退院できました。
早期からの起立‐着席訓練による強い筋活動下で効率よく
下肢筋力増強が行え、1ヵ月という短い期間での歩行の
自立につながりました。
(九州理学療法士・作業療法士合同学会2015でポスター発表)
浅木病院 理学療法士 篠原敦
【はじめに】
今回、全国自治体病院協議会の平成26年度海外医療視察A研修団研修(2014年11月23日~29日)に参加しました。ドイツのミュンヘンで、地域の急性期病院と老人ホームを、スウェーデンのヘルシンボリで、地域の急性期病院を視察研修しました。その内容を簡単ではありますがご報告します。
【ドイツ】
中福祉中負担国家で、医療保険制度は、事実上の国民皆保険で公的医療保険もしくは民間医療保険のいずれかに加入する社会保険方式となっています。医療費の自己負担額は、外来診察料が四半期ごとに10ユ-ロ(約1,350円)、入院費が年28日を限度に10ユーロ/日の支払いが必要です。薬代については1割定率負担となっています。
病気は、まずホームドクターを受診し、必要があれば、大学病院や専門病院を紹介してもらうシステムとなっています。
在宅療養については、日本より5年早く介護保険が導入され、要介護Ⅰ~Ⅲに分類され、現物支給と現金支給が行われます。
老人ホームは、入所というよりアパートに引っ越すような感覚で入り、すべての意思決定権は本人にあり、本人の意思が尊重されていました。認知症などになっても、その意思決定が尊重されるように、意思決定を表示するため書面もあるそうです。その人らしい最期が迎えられるようにされていました。
【スウェーデン】
高福祉高負担国家で収入の50%以上が税金として徴収され、社会保障に使用されています。医療は1,100スウェーデンクローネ/年(約15,000円)を、薬代は2,200スウェーデンクローネ/年(約31,500円)を自己負担の上限にその他は全て税金で賄われます。
病気は、まず各地域の診療所で受診し、ドイツと同様に必要に応じて大学病院や専門病院を紹介してもらうシステムとなっています。
また、インターネットを利用し、患者様の検査内容などカルテの情報を共有できるようになっています。薬剤についても同様で、どこの病院で何の薬が処方されたがわかるため、日本のように各病院で重複した薬が出されることがなく、無駄な医療費の削減に繋がっています。
【最後に】
両国ともに見学行った急性期病院では、平均在院日数は5日程度で日本に比べると半分以下の入院日数となっていました。虫垂炎などの手術も日帰りで行われ、出産においても一日で退院される方もいるそうです。また、高齢化に伴う医療費の高騰、医師、看護師などの医療スタッフ不足は、日本と同様の課題の一つになっているようでした。
また、これから我が国が目指している地域包括ケアシステムの一端を垣間みることができました。
51歳、女性、くも膜下出血右片麻痺
<当院入院時歩けなかった原因>
① 左足の著明な筋力低下(健常者平均値の27%)
② 右足の関節可動域制限
<リハビリ内容>
500~600回/日の起立-着席運動を中心に行いました。
ストレッチは効果なく、1.5ヵ月目にアキレス腱延長術
を施行しました。
<治療結果>
・筋力は、右膝を伸ばす力:0㎏(0%)→7.2㎏
左膝を伸ばす力:19㎏(27%)→52.7㎏(75.7%)に改善。
※()内は健常者平均値比
・日常生活動作は、Barthel Indexで40点→85/100点に改善。
☆車椅子・ベッド間移乗は自立。
(九州理学療法士・作業療法士合同学会2014で発表)
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ファイル ( 2014-12-10・ 205KB ) |