運動不足になるのは脳卒中に限りません。肺炎、心臓病などの重症な内科疾患、骨折、長時間の点滴、などが原因としてあります。入院前は歩けていたのに入院 して治療を受け、退院するときには歩けなくなっていたという方は少なくありません。これは、大学病院、公立の教育病院でさえみられる実態です。一般医療の 中にリハビリテーションが取り入れられなければならないと思うのはそのためです。
安静、臥床が長引きますと「廃用症候群」が生じます。これはリハビリテーション関係者にはよく知られていますが、筋力低下(筋萎縮)、関節拘縮だけでな く、痛み、排尿障害、尿失禁、尿路感染、痴呆、肺炎、静脈血栓症、肺梗塞、褥瘡、心機能低下などが起こってきます。特に痴呆に似た精神機能の低下は,深刻 だと思います。
健康の維持には、栄養、睡眠、それに運動の3つが上げられています。健康の回復もそうです。残念ですが、病気の治療の間に、筋活動が忘れられることが少なくありません。