当院の最大の特徴は、比較的まれである脳神経内科とリハビリテーション科の専門医が複数人常勤していることです。
「脳神経内科」とは内科のひとつで、脳や脊髄、神経、筋肉の病気をみる科です。症状としては、手足の力が入らない、歩きにくい、ふらつく、しびれ、頭痛、めまい、ふるえ、しゃべりにくい、食べ物や水分でむせる、もの忘れなどがあります。疾患では、主に脳血管疾患(脳卒中)、パーキンソン病/パーキンソン症候群、脳血管性あるいはアルツハイマー型の認知症などが多いです。脳神経疾患を患った方は転倒することも多く、大腿骨近位部骨折や腰椎圧迫骨折などの整形外科疾患を治療することも少なくありません。また、高齢者は多岐にわたる疾患を同時に有しており、非常勤の専門医に相談しながら全人的な医療を心がけています。私たちは、あらゆる疾患・病態に対して「リハビリテーション」を主力武器とした医療・介護に取り組んでいます。
当院における仕事で特に重要視しているのは、「観察あるいは傾聴」、「記録」、「気合い」の“3K”です。病歴をしっかりと聴くことが医療の基本ですが、神経疾患では十分に意思疎通ができない方も多く、まずは医療者側から積極的に「観察する」姿勢がスタートになります。観察によって得られた情報を十分かつ正確に伝える「記録」ができてこそ初めて方向性の定まった医療が動き出します。そして行われた医療がどのようなゴールを迎えるかを決定づけるのが全職員の「気合い」の総和だと思います。ことさらチーム医療といわれるリハビリテーションではそれを実感します。
要介護になる原因は、多い順に「脳血管疾患」、「認知症」、「高齢による衰弱」、「骨折・転倒」、「関節疾患」、「パーキンソン病」と続きます。このことからも、私たちの仕事は、未曾有の高齢化社会を迎えたわが国に大きく寄与するものだと考えています。当地域の医療機関や施設としっかり連携を取りながら、職員一丸となり使命感を持って情熱的な仕事をしていく所存です。